政治・法律

矢内原忠雄とその時代──信仰と政治のはざまで

歴史を導く神への信仰を根底に有しつつ、時代の波に押し流されることなく、軍国主義を批判し、民主主義と平和を説いた矢内原忠雄。彼は自らを預言者イザヤやエレミヤに擬していた。
 
【目次】
はじめに
第一章 矢内原忠雄のプロフィール
第二章 矢内原忠雄の内村鑑三継承
第三章 大正デモクラシー時代の政治思想
 第一節 新渡戸稲造(一八六二~一九三三)
 第二節 吉野作造(一八七八~一九三三)
 第三節 美濃部達吉(一八七三~一九四八)
 第四節 津田左右吉(一八七三~一九六三)
第四章 矢内原忠雄の帝国主義批判
 第一節 内村鑑三と朝鮮
 第二節 矢内原忠雄と朝鮮
 第三節 矢内原忠雄と満州
第五章 矢内原忠雄のファシズムとの戦い
 第一節 天皇機関説事件から津田左右吉事件へ
 第二節 矢内原忠雄の非戦論
 第三節 排他的ナショナリズムに対する批判
 第四節 国体とキリスト教
 第五節 全体主義論
第六章 戦時下における順応と抵抗
 第一節 塚本虎二と矢内原忠雄の論争
 第二節 南原繁の戦い
 第三節 矢内原忠雄の戦い──聖書講義に即して
第七章 矢内原忠雄の戦後民主主義論
 第一節 戦後の矢内原の政治思想に対する評価
 第二節 日本精神の批判──本居宣長批判
 第三節 敗戦と占領
 第四節 民主主義の定義
 第五節 民主主義とキリスト教
 第六節 矢内原忠雄とJ・マリタン
第八章 矢内原忠雄の絶対的非戦論
 第一節 矢内原の絶対的非戦論に対する相異なる評価
 第二節 正戦論の否定
 第三節 自衛のための戦争の否定
 第四節 カントの「永遠平和論」の継承と批判
 第五節 再軍備批判、講和論争、新安保条約批判
 第六節 核戦争時代における平和
 第七節 「平和国家」と「神の国」
 第八節 矢内原の平和論の継承
第九章 戦後における矢内原忠雄の国体論──天皇制とデモクラシーの相克
 第一節 神権的国体論の否定
 第二節 国体論(天皇制論)をめぐる論争
終わりに 矢内原忠雄の遺産
矢内原忠雄年譜
古賀敬太 著
A5判上製/270頁/本体3,500円
2021.2刊行 ISBN:978-4-86258-135-8